お伽噺のちょっと先

 風に乗るようにして聞こえる力強い翼の羽音。
 視界の先には、晴れ渡った蒼穹がどこまでも続いていた。眼下を見れば、遙か下の方に濃い緑の山々が延々と連なり、時折緑のすき間から細い糸のような川も見えた。

「姫さん、寒くないか?」
「ううん、サザキがあったかいから大丈夫」
 千尋がそう答えてサザキの身体に巻き付けている腕に力を込めると、千尋を抱えているサザキはちょっと照れたように笑って、また正面を向いた。
 季節は初夏にかかろうとしていた。だが、空の上、身体にあたる風は意外と冷たく、長く飛び続けていれば体温も下がる。サザキはそう心配してくれたのだろうが、今の千尋は身も心も暖かだった。

 逢いたくて、逢えなくて、離れると聞いて、離れたくない、と追いかけた人。
 多くのものと引き替えに、この人の傍にいることを望み決めたのだ。
 奇しくもそんな自分を迎えに来てくれたその人の腕の中、こんな幸せなことがあるだろうか。
 出来ればこのままこの人が夢に描いている大陸までも飛んで行かれればいい、そんな風にさえ思う。


「サザキ」
「なんだ? 姫さん」
 ずいぶん年上にも拘わらず、相変わらず少年のような笑顔を向けられ、千尋の心臓がすこし跳ねた。
「そろそろ降りて休まない? もう長い間飛んでるよね」
「ははーん、さては姫さん疲れたな。無理もねーか、こんなに長く飛ぶの初めてだよな、姫さんは」
「サザキは疲れてないの?」
 橿原宮を飛び立ってから、もうけっこうな時間が経っている。サザキ一人ならまだしも、自分を抱えたまま飛び続けているサザキが疲れているんじゃないだろうかと千尋は思ったのだ。
「日向の一族をなめてもらっちゃ困るな〜。これくらい何でもない」
 にこにこと笑うその笑顔はごく自然で、虚勢ではないと千尋にもわかった。
「とは言え、腹も減ったし、そろそろ降りるな。頃のいい場所を探すから、もうちょっと辛抱しててくれな、姫さん」
「私は大丈夫だよっ」
 いつの間にか自分が疲れたことにされていて、千尋は慌てて反論した。
「わかってる、わかってる。だから、ちょっとだけ辛抱してくれな」
 茶化すでもなく急に真面目な声音になって、千尋は反論する気分を削がれてしまった。やがて「降りるぞ」と小さく告げると、サザキはゆっくりと降下を始めた。
『……集落?』
 サザキが降りようとしているのは、どうも人家のある辺りのようだった。
「サザキ、人がいる所は……」
 思わず千尋は、訴えるようにサザキに掴まる手に力を入れた。
 今や豊葦原に住まう民で、中つ国を取り戻した王やその将たちのことを伝え聞いておらぬ者はいない。そして恐らく、まだこの辺りまでは王が橿原宮を抜け出たことは伝わってはいまいが、それでも目立つ行動は避けるに越したことはない。
「あそこにはもう人は誰も住んでない」
「え?」
 意外な言葉にまたも千尋は驚いたが、次の質問をしようと思った時には、そっと地面に降ろされていた。

「……ここは」
「姫さん、こっちだ」
 心に浮かびかけた欠片が形を成す前に、サザキが千尋の肩を引き身体の向きを変えさせた。
「さあ、中に入った」
「いいの? 勝手に入って」
「ああ、大丈夫だ」
 やけに自信たっぷりに言うサザキに促され、千尋は素直に示された一軒の民家に足を踏み入れた。
「姫さん、少しの間ここで待っててくれな。食いもん調達してくるわ。んー、だいたい四半時ぐらいな」
 土間から一段高くなった床板の上に千尋を座らせ、サザキはにこにこ顔でそう告げた。
「どうして? 私も一緒じゃダメなの?」
「うん。姫さんは、ここで留守番だ。昼寝でもしてりゃいい、すぐ戻ってくるって」
 渋る千尋にサザキは、いつも自分の腕にかけている白地に朱い太陽を思わせるような模様の入った領巾(ひれ)を彼女の肩にかけると、くるりと身体を反転させ民家を出て行った。その後すぐ大きな羽音がして、どこかへ飛び立ってしまったのだわかった。千尋は肩を落とした。もう追いかけることも適わない。
「どうしたんだろサザキ……」
 サザキにしては珍しい行動だった。千尋の言葉を遮るように一方的に喋り、千尋を一人残してどこかへ行ってしまった。ここがサザキの既知の場所であるらしいことは会話の内容から判りはした。きっと、千尋にとって安全だと判断して、一人ここに置いて行ったのだろうけど、千尋は酷く淋しかった。
 やっとサザキの近くにいられるようになって、まだ数時間しか経っていない。もっとサザキと一緒にいたい。サザキから離れたくない。サザキもきっと同じ気持ちだと思っていた。
「もしかして、私の……ワガママ?」
 そう思うと、どうしようもなく悲しさが押し寄せてきて、千尋はサザキがかけてくれた領巾にくるまるようにして身体を小さくした。

『サザキの……匂い』
 サザキがかけてくれた布からは、さっきまでその腕の中にいた愛しい男の匂いがする。その布にくるまっていると、サザキに抱きしめられているような心持ちになる。
「…ん、大丈夫」
 サザキの匂いに意識を傾け、しばらくじっとしていると段々と気持ちが凪いできた。
「あ、そうだ」
 心が落ち着いてくると、ここに降り立った時気になることがあったのを思い出した。
「外に行ってみよう」
 確かめるために、千尋は家の外に出た。


「…………」
 人の営みがつい最近まであった形跡はあるが、サザキの言う通り、人の姿はなかった。何軒か覗いてみた民家はどれも人の気配はしない。一度だけ、かまどの近くを小さなトカゲが走ったのを目の端に捉えただけだった。
 ここは人にうち捨てられた場所。
 なぜそうなってしまったのかは、なんとなく察しがついた。今までに幾度か目にした光景だった。
 中つ国と常世の戦によって被害を被った場所。直接ではなくとも、その影響を受けてここから人が去ったのだ。千尋は胸が締め付けられる思いがした。
 黒龍を倒し、常世と和解し、中つ国を取り戻して以来、ほとんど橿原宮から外へ出ることのない生活の中で、忘れかけていた痛み。
 記憶もないままこちらに帰還し、王族だからといきなり大将として担ぎ上げられた、中つ国を取り戻すという大義の戦。目の前で、失われていった多くの命。彼らの姿は、瞼に、心に、深く刻み込まれている。これからも絶対に忘れることはない。忘れてはいけない。
 けれど――――。
 自分が真に龍神の神子であったなら、龍神を呼ぶことが出来たなら、失う命はもっと少なかったのではないか。無駄な血を流さずにすんだのではないか。
 千尋は、この廃村を前にして強くそう思った。
「龍神の神子なんて……なにも……っ」
 子供の頃から龍神の声が聞こえたことなど一度もない。黒龍に取り込まれそうになった時、微かに神々しい光明が見えたような気がしたが、あれが龍神だったのかどうかさえも、今となってはわからない。自分は本当に龍神の神子だったのだろうか。それともただの非力な娘にしか過ぎないのでは……。
 視界が歪み、膝がぐらりと揺れ千尋の身体が崩れるように傾く。『倒れる』千尋がそう思った瞬間、後ろから支えてくれたものがあった。
「姫さん、中で休んでろって言ったろ。どうして、オレの言うこと聞いてくれないかなー」
「…サザキ」
「ただいま、姫さん」
 歪んだままの視界で千尋が顔を上げると、明るく笑うサザキの顔があった。太陽を背にしたそれは、強烈な印象の朱い髪のせいか、眩しくて千尋はまともに見ることが出来ない。
「あ〜あ、涙で姫さんのカワイイ顔が台無しだ。ったく、ま〜た余計なこと考えてたんだろ」
「余計なことじゃなくて、忘れちゃいけないことだよ」
 絞り出すように言った千尋に、サザキは大きく溜息をついた。後ろから支えている腕の力を緩めると、千尋の前に回り、彼女を改めて抱きしめた。
「姫さんを泣かせたのはオレだよな。こんなトコに連れてくりゃ、聡い姫さんのことだ。すぐにどんな場所かくらいわかっちまうよな〜。ごめんな、姫さん、イヤなこと思い出させて」
 サザキは千尋の髪をそっと撫でた。戦いの最中自ら切った美しい黄金(こがね)の髪は、それでも今はずいぶん伸びたが、辛い日々の記憶へと続く物の一端のようにもサザキには思えた。
「謝らないでよ、サザキ。他の場所より安全だから、ここに来たんでしょ?」
「それは、そうなんだけどな……。――――なあ、姫さん、忘れろとは言わないが、自分を責めるな。姫さんがいなけりゃ中つ国を救うことなんか出来なかったのは間違いない。だから…その……なんだ…………」
「…うん。……ありがとうサザキ」
「おわっ!」
 千尋はサザキの背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた。
 けして上手くはない慰め方がサザキらしくて、千尋はようやく、誰と、何のために、ここにいるのかを思い出した。
「今は泣いてもいい? もう泣かないから」
 それでもまだ少し現実に浸るには時間が必要だった。
「ああ、好きなだけ泣くといい。千尋はもう龍神の神子でも、中つ国の王でもない。だから、好きなだけ泣けばいい。これからはオレが傍にいる。だから、だからだな、オ、オレの胸でよければ、い、いっつでも……か、かっ、貸すぜ」
「サザキったら」
 後半、声が一段高くなりどもり口調になったのが、千尋は可笑しくて、そして――――とても愛しくなった。
「笑うなよー、姫さん」
 自分の胸に顔を埋めるようにしているので、どんな様子なのかはわからないが、華奢な肩の震えは、泣いているだけではないとサザキは思った。

「ありがとう」
 ひとしきりサザキの胸に抱きついたまま肩を震わせた後、千尋は静かに頭を上げた。
「やっぱ姫さんは笑った顔が一番だ」
「サザキもね!」
「あ、えっ!? オレー!?」
「前から思ってたけど、サザキってカワイイね」
「はあ〜!? 姫さん、頭大丈夫か!?」
 十近くも離れた小娘に「カワイイ」など言われ、サザキは非常に慌てた様子だった。千尋から視線を逸らしたその顔は平静に見えるが、瞳はゴミでも入ったかのように忙しなく瞬きをしている。千尋がそういったサザキの性質を知るのは直のことだった。
「サザキ、ちょっと俯いて」
「ん? こうか?」
「うん、そう……」
 身体を少し離して背を屈め近づいてきたサザキの顔を素早く両手で捕らえると、千尋は唇を重ねた。
『ーーーーっっ!!』
 目を開けたままにも関わらず、何が起こっているの理解出来ずにサザキの身体は、岩のように固まった。けれどその反面、狼に押さえつけられた野ウサギのように心は飛び跳ねる。それが証拠のように赤茶の翼は何度かばたつかせていた。
「……………………」
 唇を離しても、目を開けて硬直したままのサザキに、千尋ははにかんだ笑顔を向けた。
「今度はサザキからしてね」
「……オ、オレから?」
 軋む音が聞こえてきそうなほどぎこちない動きで、自分を指さしたサザキに千尋はこくんと頷いた。そしてもう一度サザキに向かって手を伸ばす。頬に触れた温かな手に、赤くなっていたサザキの顔がもっと赤くなる。
「もう、我慢しなくていいだよね。サザキに触れてもいいんだよね」
「――姫さん」
 切なげな表情(かお)をして紡がれた次の句に、サザキは我に返った。

 黒龍を倒した後の橿原での生活が脳裏に浮かぶ。
 千尋は中つ国の王となった後、国を以前のような状態に少しでも早く戻せるよう、ひたすら政に奔走した。自らの力で立った王のそのひたむきな姿に、心打たれる者は多かった。
 一方、現女王に多大な力添えをしたとは言え、過去に確執のある日向の一族は、官人や多くの橿原宮の者たちにとっては扱いに困惑する存在だった。盗賊まがいのことをしていた彼らに対して、あからさまな敵意を向ける者こそいなかったが、蔑むような視線を送る者は多く、けして友好的とは言い難かった。
 サザキはそのことに千尋が心を痛めているのは承知していた。それ故に、仲間には理解するまで何度も言い含め、辛抱させ、また自らも私的用向きで千尋に会いに行くような行動は慎しみ、出来うる限りの中つ国復興への助力をした。それが功を奏してか、時が経ち、互いが触れ合う機会が増えると、緩やかに両者は理解し始めているように見えた。それは喜ばしいことではあったが、狭井君や他の官人たちの目もあり、やはりサザキは千尋とは滅多に逢わずにいた。
 互いを想い合う者たちにとって、時が止まったかのように思えるほど長く、永い時間だった。

「もう一度、ぎゅって抱きしめて」
 サザキは言われた通り千尋を強く抱きしめた。
「ずっと……サザキに、こうされたかった」
「千尋――」
 ようやく解き放つことを赦された暖かな想いが、抱き合う二人をゆるりと包んでいく。
「んっ…」
 さっき言った千尋の願いはすぐに叶えられた。


 長い口づけの後、見晴らしのいい場所に腰を降ろし千尋は隣のサザキにもたれるようにして、山の端の向こうに落ちていく夕日をぼんやりと見つめていた。
「日が沈んでいくね。岩長姫はわざと見逃してくれたけど、他のみんなは怒ってるよね」
「やー、オレに対しては確実に怒ってるだろうな〜。大事な姫さんをかっさらっちまったんだから」
「ごめんね、サザキ」
「姫さんは気にするこたーない。忘れちゃいないか? これはオレの望みでもあるってこと。――――それに、姫さんは頑張った。軍の大将を見事にやってのけ、常世との和平を結び、国も見事復興させた。あんな短期間でよくやったよ。橿原宮の連中もそう思ってるはすだ。後は、狭井君や岩長姫、道臣たちに任せばいい。姫さんは、これから長い休暇だ。デカいことをいくつもやってのけたんだ、これくらいの褒美はあって当然だな」
「うん、サザキが私のご褒美なんだね」
「っかー! 姫さんは時々、すっごいこと言うな。聞いてる方は恥ずかしくてたまんねーぞ」
「そんなことないと思うけどな。サザキの方が免疫なさすぎ」
「めんえき?」
「うーん、何でもない」
 サザキは不思議そうな顔をしたが、それ以上訊くことはしなかった。

「それとも今度は海賊の大将やるか? オレよりよっぽど人望が厚い姫さんなら、あいつらも大喜びだ」
「それは、遠慮する」
「はっはー、やっぱそうか。それはそれで、なんか…………残念だな」
 間髪を入れずに答えた千尋に、サザキは少し肩を落としてポリポリと頭を掻いた。
「大将より、大将の奥さんがいい」
「えっ? あっ、なんだっ、大将のオクサンって??」
「え〜と、妻、奥方、と他には……」
 千尋はサザキに通じそうな単語を記憶の海から必死で探した。
「もしかしてヨメさんってことか?」
「うん、それ!」
「ええっ!? 本気か、姫さん」
「してくれないの?」
「あー、いやー、そ、そうだな。トーゼン、そうだよな。うわー」
 サザキは手で顔を半分隠しながら盛大に照れた。
「もしかしてそこまで考えてなかった?」
「うん。あ、いや、そんなことない。ちゃーんと考えてたぞ。ちょっと忘れていただけで、まさかいきなりそう来るとは思わなかった」
 焦りまくっているような口調ではあったけれど、鮮やかな金茶の瞳は真っ直ぐに千尋に向けられていた。

「ま、今は姫さんも目まぐるしい一日で疲れてるだろうし、ここで二、三日ゆっくり休んで、その後考えりゃいい」
「え? ここで二、三日ってどういうこと。そんなのんびりしていたら、橿原宮からの……その、見つかったりするんじゃない……」
 サザキとゆっくり出来るのは嬉しいが、千尋は不安の方が大きかった。橿原宮からは出奔した形なのだ。だから当然、狭井君は追っ手を差し向けるだろう。空を飛んできたとはいえ、橿原宮からの追っ手が追いつかないという保証もない。
「だーいじょうぶだ。ここはそんなカンタンに見つかる場所じゃない。何しろカリガネのお墨付きだ」
 そうなのか。カリガネのお墨付きという言葉に千尋は安堵を覚えた。サザキの楽観ぶりというか、物事を前向きに捉える部分は彼の美徳だと思うけれど、時と場合によってはちょっと危険なこともある。特に今回は後者だと思った。けれどサザキとは違って冷静で客観的なものの見方をするカリガネも承知のことならば、本当に大丈夫だろう。サザキには悪いけれど。
「姫さん、今カリガネの名前聞いてホッとしただろ」
「え? あ、あははは。わかっちゃった?」
 どうやら見透かされていたらしい。ごまかす為に千尋は笑顔を作った。
「それぐらいわかるさ。姫さんは戦の最中にもカリガネのこと、よ〜く褒めてたもんな〜。い〜っつも菓子ねだってたもんな〜」
「それ……って」
 言葉の続きを千尋は飲み込んだ。違っていたら恥ずかしいと思ったのだ。けれど、ふて腐れ顔で横を向いたサザキのそれは、どう見ても――――ヤキモチだ。
 こういうサザキは本当に可愛くて好きだと千尋は思った。
「ね、サザキ」
 サザキにぴたっとくっつくようにして、そのちょっと拗ねたような顔を千尋が見上げると、サザキは不機嫌な割りにはすぐ声の方に顔を向けた。
「さっきの話だけど、ここで二、三日サザキと二人っきりで過ごすってこと? それとも、明日にはカリガネたちとここで合流とかするの?」
「いや、カリガネに『準備のジャマになる。ここで待っていろ』って言われたんで、合流は別のトコだ」
 すっかり機嫌は直ったのか、にっこにこ笑顔でサザキは返事した。
「てことは、やっぱり二人きりなんだ」
「そう、二人…きり――――。え!? 二人きりぃ!?」
「わー! サザキ、大丈夫っ!?」
 頭から湯気をぷしゅーと吹き出しそうなほど真っ赤になって、サザキは仰向けにぶっ倒れた。
 サザキの髪のようだった空の色はすっかり山の向こうに隠れてしまい、星も見え始めている空の下、倒れたサザキの頬をペチペチ叩きながら、千尋はこれからの前途多難ぶりにちょっとだけ溜息をついた。


31歳、鳥さんの純情っぷりは布都彦と同等――――いや、年かさの分、むしろ負けてる??orz
けど、ちゅーも求婚も千尋ちゃんからって一体……。夜はどうすんの…………サザキ。
(2009.10.12)

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