Blue Horizon

 chapt.2 傷

「ん〜 連絡ない」
 セルフィは、今日の分の職務も終わり、食堂で昼食を終えて一人呟いた。
 珍しい事だった。
 昨日「また明日ね」と言ったのに、今日はまだアーヴァインから何の連絡も無かった。いつもなら、メールか電話で必ず連絡があるのに。
「ヤバイもんでも食べて、寝込んどる?」
 それはあり得ない、自分ならいざ知らず。慎重派のアーヴァインには、まずあり得ない。とすると、どうしたんだろうか。任務疲れでまだ寝ているとか。何となくだけど、昨日のアーヴァインの様子が気に掛かった。どこが、とは言えないけど、こう感覚的にいつもと違うような気がした。
 それもあって、今日の午後からの休みをもぎ取るために、昨日深夜まで掛かって調べ物をしたりしたんだけど……。
「あ〜どうしよう。このままそっとしておく方がいいのか、様子を見に行った方がいいのか……」
 アーヴァインなら間違いなく、自分の所へやって来る。でも、セルフィはこういった時、どうしたらいいのか良く分からなかった。明らかな経験値の差と性格の違い。
「いっそサイファー誘って買い物でもいこっかな〜」
 サイファーなら、アーヴァインと同じ男だし、軽口を叩きながらでも、的確なアドバイスをしてくれるだろう。セルフィは持っていた携帯電話を、何となくパチンと開いた。
「セルフィ、ここにいたのね」
「あ〜 キスティス〜」
 タイミング良く現れたキスティスの姿を認めると、開いたばかりの携帯電話を閉じて、セルフィは向かいの席を彼女に勧めた。
「あのね〜 キスティス、ちょっと相談」
「なあに?」
 顔の横に垂らした髪が美しい絹糸のような軌跡を残して、キスティスは勧められた椅子に腰を降ろした。
「アービンの様子が、なんかちょっと気になったんだよね〜」
 丁度その事で、セルフィを捜していたのだったが、自分が言うより先に、彼女は何かを感じていたようだ。流石というか、キスティスの身体をどこか温かい気持ちが流れていった。

 本当にアーヴァインにしては珍しい事だと、キスティスも思っていた。彼はかなり気遣いをするタイプだが、逆に気を遣われる事を嫌がるきらいがある。だから、表面上はいつもにこにこしていて、相手に気取らせない。自分の許した相手以外が、深入りするような言葉は、軽めの台詞でサラリと流す。多分殆どの人間は、かわされた事にすら気付かない。
 それが彼の処世術。
 耳触りの良い、軽い言葉ならその中に本心を混ぜていても、返ってきた言葉に傷つく度合いは少なくて済む。自分だって、本心を言った訳ではないのだからと。そうした、やり取りを繰り返しながら、本当に自分に心を開き、自分も信頼出来る人間を、ずっと捜し求めてきたのではないだろうか。
 スコールが言葉を閉ざす事で、傷つくのを避けてきたように、アーヴァインは言葉を纏う事で、心を守ってきた。
 キスティスは、全く性格の違う似た二人をそう思っていた。
 その二人が、今は心を許す仲間を得る事が出来たのは、本当に良いことだと思う。その中に自分も入っているらしい事が、嬉しく誇らしい。尤も、“彼女たち”には敵わないのだけれど、それはそれで微笑ましい。
 そう、心を許してくれるのは嬉しい事なのだが、今回ばかりはそういう訳にはいかない。スコールと自分の推測が当たっていれば、心を許しているというより、堅固な防御壁が綻びたといった方が正しい。ひょっとしたらもう臨界点を越えているかも知れない。
 その前に――――。
「セルフィ、私とスコールの個人的推測なんだけど……」
「うん」
 セルフィはいつものように、「なに〜? 真面目な顔しちゃって」と茶化す事もなく、真剣な眼差しでキスティスの次の句を待っていた。



※-※-※



 “SeeDは何故と問うなかれ”この一節は取り払われた。

 数ヶ月前、バラムガーデンの状況も落ち着き、今一度SeeDの在り方を再考したいとシド学園長より提案があった。そこで各方面から、意見や案が提出され、幾度かに渡って会議が開かれた。
 その中の一つに、シド学園長から直々に“SeeDは何故と問うなかれ”の一節を取り除きたいとの提案が出された。

 この一節が掲げられた大きな理由は、苦渋に満ちた現実の中での、シドの良心と縋るような願いだった。
 バラムガーデンの共同経営者であったノーグは、SeeDが請け負う依頼内容については無頓着で、まず何よりも報酬額を優先させた。どれだけ学園として意に添わぬ依頼内容であっても、「学園経営には、莫大な経費が掛かる為やむを得ない」という理由で、ノーグは反対意見のシドを押し通した。その事が直接の起因となり、シドはあの一節を掲げた。
 SeeDにとって、派遣された先で意に添わぬ事態に直面しても“SeeDは何故と問うなかれ”の一節は、自我を捨てさせ、ただ任務完遂する事だけを考える優れた兵士に仕立て上げ、また成功を収めた。
 公言されていた訳では無かったが、その辺が理由だろうと誰もが思っていた。それとは別にもう一つ秘められた理由もあった。
 魔女イデアを倒す者が、SeeDとなったかつてイデアが慈しんだ子供達であるという事を、事前に予見していた、イデア・クレイマーとシド・クレイマーが、少しでも彼らの心の負担を軽減する為に付けた一節だった。この真の理由は、ガーデン創始者のクレイマー夫妻しか知り得ぬ事で、また夫妻は公にするつもりも無かった。
 そして、ノーグは居なくなり、魔女の恐怖も去った。もう、この一節を残しておかなければならない理由も無くなった。

 もとより、シドは反対の意見を持っていた。ただ何も考えず、与えられた任務を完璧にこなす兵士。それは確かに優秀な兵士と言えるだろう。いや、兵器とすら言えるかも知れない。それ位世界に於ける、SeeDの認識と評価は高い。
 しかし、彼らは人間だ。心を持ち思考をする。与えられた任務をこなすだけの兵士なら、軍隊で事足りる。
 そしてシドは常々思っていた。自分が何者かをしっかりと認識し、何を成すべきか十分に納得した上で、任務に当たって欲しいと。その上で、更に人として、高く、強く成長して欲しい。ただの傭兵にはなって欲しくない。彼らの戦いの場となるべき所は、何も血生臭い戦場だけではない。

 ガーデンはSeeDを育てる、大事な種を、未来を担う種を。それが、自分達の理想とするガーデンの在り方。

 このシドの提案は比較的賛同する者が多く、承認後直ぐに実行される事となった。
 それに付随するように、依頼内容の選考についても明確な基準が設けられた。特定の国の国政、或いは、政治団体への関与の禁止。テロリストと思しき、又は、疑われる組織への荷担の禁止。出来る限り中立の立場を保持出来るもの、また平和的理由によるものを優先とする。依頼元の大小で決定してはならない等々。かなり細かい部分まで決められた。
 それらは、ガーデンとSeeDにとっては、良い事に思えた。また大部分に於いてはそうであった。



※-※-※



「それとアービンとどんな関係があるん?」
 自分の疑問と、キスティスが今話してくれた内容が、どう繋がるのかセルフィは分からなかった。
「前置きが長くてごめんなさい。つまりアーヴァインのように、責任感が強くて、任務に対して真摯であればあるほど、あの一節が無くなった事で、自分を追いつめてしまう事があるの」
「……今回みたいな任務の失敗の場合とか?」
 少し考えてから言ったセルフィに、キスティスはゆっくりと頷いた。
「前回も今回も、アーヴァインに過失はないわ。でも、任務自体は失敗だった。あなたや私なら、それを教訓として今後に生かすことを考える」
「アービンは、そうじゃない。自分を責めてしまう事がある。いつもという訳じゃないけど、今回は特に犠牲が多すぎたよ」
「そう、彼だって分かっていると思うわ。自分一人の責任じゃないって、そんな風に思うのは傲慢だって」
「……」

 殆どの場合は、任務内容をきちん納得した上で、任務に赴く事が出来るようになった。また、提示された任務を受けるかどうかの最終決定は、本人がする事が出来る。納得出来なければ、辞退しても良い。反面、納得して受ける事となった分、その責任は重くなる。個々が自覚と誇りを強く持つようになった事で、任務の成功率は上がった。
 だが、ごく少数ではあるが、その責任感に押し潰されてしまう者が増えた。皮肉な事に、優秀であればある程、責任感が強ければ強い程、その傾向は強かった。その殆どは、カウンセリング等で、乗り越えて行く事が出来たが、希にSeeDを辞める者もいた。
 それは人間である以上、あの一節があろうが無かろうが、起こり得る事ではあった。

「アーヴァインがSeeDになった動機は何だと思う?」
 短い沈黙を破ったのはキスティスだった。
「それは! ……それは…」
 セルフィはその問いに、直ぐに答えようと思ったが、喉の奥から言葉が上がって来なかった。
「もちろん、あなただけが動機じゃないと思っているわ。元々ガーデンで学んでいたんだし、スナイパーとしては一流よ」
「……」
 そのガーデンで学んでいたという事すら、彼がガーデンに入る事になったきっかけを知っているセルフィには、もう気休めにもならなかった。きっかけはどうあれ、ガーデンに入る事を選び、SeeDの道を選んだのはアーヴァイン自身だ。ただ、その時その時の選択肢は、少なかったのではないだろうか。もしかしたら、それこそ一つしか道は無かったのでないだろうか。彼の意志に関わらず。
 否定したかった。アーヴァインはそんな弱くないと。弱いだなんて、ちっとも思ってない。けれど、考えれば考える程、答えは悪い方へと導かれていく。心の強さと傷つくという事は、全く別モノだ。弱いから傷つく訳じゃない、強いから傷つかない訳じゃない。心の有り様が違うだけだ。
「アービンは、優しすぎんねん!」
 セルフィは堪らず叫んでいた。
「セルフィ?」
「いっつも、誰かの為。自分の為じゃなく、誰かの為に戦う。守る為に戦う、自分が傷ついても戦う。あたしに、……あた…しに、泣けって……言う…のに、自分は……なか…な…い……」
 テーブルの上に乗せた両手を白くなる程握り、語尾は嗚咽で言葉にならなかった。
「セルフィ……」
 キスティスは、そっとセルフィの手に自分の手を重ねた。掛ける言葉を見つける事が出来ない。どんな言葉を尽くした所で、気休めにもならない。こういう時、人の心を読むのに長けている自分を、キスティスは呪わしく思った。
「キスティス……あたしに、何が……できる? アービンに……何をしてあげ…たらいい?」
 セルフィは、涙を隠すように俯いていたが、泣く事を善しとはしなかった。途切れ途切れながらも声を絞り出し、キスティスにアドバイスを請う。
「待ってセルフィ。その前にごめんなさい、あなたまで追い込んでしまって。私、説明がヘタね」
 キスティスは深呼吸をするように、大きく息を吐いて、再びゆっくりとセルフィを見た。
「今の話は、あくまで私とスコールの推測に過ぎないわ。私たちも彼が弱い人間だとは思っていない。一緒に戦ってきた仲間だもの、良く知っているつもりよ。ただ、心配なの。仲間だから、大切な……」
「キスティス……」
「こういうの、余計なおせっかいなのかも知れないけど」
「管理者としては、当然じゃない? 気が付けば放置はしないでしょ。だからあたしにも話をしたんだよね?」
 セルフィを慰めようと言ったつもりだったが、キスティスは逆に慰められたような気がした。そこまでは読む事が出来なかったのを、嬉しくこそ思ったが、嫌だとは思わなかった。だから、彼女もまた“大切な仲間”なんだと思う。自分の予測を裏切らない部分と、良い意味で裏切る部分を持ち合わせた。そして絶対裏切らないと予測した部分は、本当に絶対に裏切らない。揺るぎない信頼を彼女に託そう。
「こんな時、アーヴァインならどうしてくれる? 彼がしてくれるように、してみるのがいいと思うわ」
 そう言ってキスティスは、顔を上げたセルフィの、もう殆ど乾いている頬を撫でた。
「……うん、ありがとうキスティス」
「あ、それと、アーヴァインて、ある方向にはけっこう我儘で貪欲だ…と……いえ、いいわ」
「?」
 訝かしげに、けれど真っ直ぐに向けられた瞳に、「そろそろ行きましょう、きっと待ってるわよ」と告げて、キスティスは席を立った。



 人の心はガラスの立方体。
 セルフィは、アーヴァインの部屋へ向かいながら、そんな話を思い出していた。以前トラビアガーデンで、ある教授が話してくれた。
 元々人の心は、角ばった透明なガラスの立方体のようなもの。成長するにつれ、時にぶつかって小さな傷をつけたり、時に優しく柔らかい布で拭いてもらったり、そうしている内に角が取れて、ゆっくりと球体へ形を変えていく。
 けれど、あまりに強い衝撃を受けると、瞬時に壊れてしまう。そうすると元に戻すのは不可能か、とても長い時間が必要になる。そうならないように、色んな事を見て経験をして、小さな傷をつけなさい。傷ついて泣いたとしても、傷は涙で磨かれてやがて綺麗になる。綺麗で強い球体にしていきなさい、様々な角度から見ることの出来る綺麗な球体にしていきなさい、そう言われた。
 当時はまだガーデンに入ったばかりで、良く分からなかったけど、今は何となく教授の言いたかった事が分かる。そしてアーヴァインは大きな傷を受けてしまったんじゃないかと思う。まだ亀裂が入っただけかも知れないけど。でも、また大きな傷を受けたら、今度は確実に壊れてしまうかも知れない。
 セルフィは、そんな不安に追い立てられるように、ガーデンの通路を足早に歩いた。



※-※-※



「お前さー、そうやって自分を過小評価するのヤメロよ。ちゃんと目に見える形で出てっだろ、お前の実力。こんな数値叩き出されたら、俺の立つ瀬はないぜ? ちったー、先輩に花を持たせろよ」
 短く刈り込んだごく淡い色の金髪に、大柄でがっしりとした体格の青年は、デイスプレィの画面を指できゅっと押して毒づいた。
「何言ってるんですか、銃以外は全部先輩の方が遙かに上を行ってるじゃないですか。頑張って頑張って、やっとここまで辿り着いたんですよ、褒めてくれたっていいじゃないですか」
 机の端に腰掛けて、足を組んでいる青年を見上げ、アーヴァインは反論した。
「物は言い様だな……ま、今日は褒めといてやるか。お前は頑張ってるよ」
「ありがとうございます」
 アーヴァインは、心からその言葉を嬉しく思った。
「あ〜、俺から一つ忠告。躊躇うのよせ、死ぬぞ。いくら狙いが正確でも、相手に先越されりゃ死ぬぞ。非情になれ、例えかつての友に相対しても撃て、それが戦場だ。俺はお前の遺体に縋って泣くのなんてゴメンだからな」
 端末の電源を落して、立ち上がるアーヴァインを、髪の色をうんと濃くしたような琥珀色の瞳が、悪戯っぽく見ていた。
「分かってますよ。自分でも、分かってます。先輩を泣かせるような事はしませんよ、多分」
「多分、てなんだよ、お前はよ〜。ほんっと、自覚しろよ、甘いって事を」
 自分も立ち上がり、淡い金髪の青年は一瞬目を伏せ、精悍な顔を破顔させて、アーヴァインのテンガロンハットを指で弾いた。
「あ〜、それといい加減名前で呼べよ。それと……」
「まだあるんですか!? 早く行かないと食いっぱぐれますよ」
 早く食堂へ行かないと全部食い尽くされてしまう、急いで終わらせろ! と言ってきた青年に、アーヴァインは小さく息を吐いた。
「お前さ、ああいえばこういうって言われね? カワイクないぞ、それ」
「先輩ともう一人にだけだからいいんですよ。他の人には上手くやってます」
「あっそ」
「で?」
 余計な事を言うとますます話が長引きそうだったので、アーヴァインは続きを促した。
「え〜と何だっけ、あっ、そうだ。お前、真面目過ぎだ! 失敗をぐちぐち悔やむな。スパッと忘れて、前を向け! ぐちぐちするのは女の専売特許だ」
「何ですかそれ、女の人に失礼じゃないですか! それに、ぐちぐち悔やんでなんかないですよ」
「そうか? お前そういうタイプだと思ったけどなあ」
「そんな事より、ホントに食いっぱぐれますよ、先輩!」
「ディルハルトだつってんだろ! いやジルでいい!」
『なんでジル……しかも女性名でしょーーー』
 アーヴァインが無言の突っ込みをした時には、ディルハルトは一人猛然と走り出していた。そのどこまでも、自己中心的な行動に小さく溜息をつき、それでも嫌いになれないんだな〜と自嘲気味に笑い、アーヴァインは後を追って走った。



「イタタ」
 身体が強張って痛い。何かに埋もれてない方の目を開けたら、ベッドの上だった。変な体勢で寝ていたらしく、痛みはその所為だと分かった。
「寝てたのか……」
 ごろんと仰向けになって、痺れていない方の手を額に当て、ぼ〜っと天井を見た。
「懐かしい夢見たな」
 楽しい思い出は少なかったガルバディアガーデンでの日々。けれど、さっきの夢はその中でも、数少ない大事な思い出の内の一つだった。その所為か、気分は悪くない。昨日寝付く前の気分とは、反対と言っていい程だった。
 結局、眠りについたのは明け方だった。集中出来る事はないかと、放ったままにしていた、荷物を片付けたり、それもすぐ終わってしまって、他に何かないかと色々探していたら、知らない間にカップケーキを作っていたりした。
 そうやって別の事に集中して、身体が疲れた隙に、ベッドに潜り込んだ。
 まるで自分がリクエストをしたかのような夢だったが、内容は作り物じゃない。本当の思い出だ。自分の言った台詞も、先輩の台詞も、過去の現実で確かに交わした。自分を見失いかけていた今見たのは、けっこう奇跡的かも知れない。それとも潜在的に思い出そうとしていたのか。どちらにしろ、心が少し軽くなったのは確かだ。同時に自分の心の弱さも、目の当たりにしてしまったけど。それとはゆっくり向き合うしかないだろう。
「何時かな」
 携帯電話を探して、ぐるりと頭を巡らせた。ベッドから落ちなかったのが不思議な位の所にあるのを見つけ、やっと手に取って見たら、とっくに昼を過ぎていた。
「うわっっ、セフィ! あ、でも今日はオフじゃないんだっけ……」
 昨日約束したのを思い出し、慌てて飛び起きたが、多分彼女はまだ職務中だろうという事も思い出した。もう一度、力尽きたようにベッドに寝転がる。ちょうどそのタイミングで、来客を知らせるインターフォンの音が聞こえた。


「いらっしゃい、セフィ」
 ドアが開いて現れた姿は、ちょっと寝乱れたままのような感じだった。だが、迎えてくれた笑顔は昨日と違って、いつも見せてくれるホントに嬉しそうな笑顔で、セルフィはホッとした。